店舗紹介

information店舗情報

店舗名 ひかり洋菓子店
創業年 2013年
所在地 〒720-0815 
広島県福山市野上町1-3-13
電話番号 084-927-3096
営業時間 11:00~19:00
※日曜日は18時まで
定休日 月・木、その他不定休
駐車場 店舗前に駐車場あり

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messageひかり洋菓子店の想い

ひかり洋菓子店のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。 ここではわたし、高橋智子がどのようにしてひかり洋菓子店の店主となったのかをお話ししたいと思います。
長くなりますがお付き合いください。

“ひかり”という名前の由来

わたしがまだ小さかったころ、うちは光飲料工業所という、びんに入ったラムネやサイダーやジュースの製造販売をしているお店で、“光ラムネ”と呼ばれていました。
まだ小さい頃に廃業したのであんまり記憶にありませんが、それでもラムネのレッテル貼りのお手伝いをしたり、びんが割れたらビー玉をもらいに行った思い出があります。
ひかり洋菓子店の“ひかり”の名前はそこから名付けました。

昔の工場の裏で遊ぶ姉とわたしと当時のびん

わたしは小さい頃からお菓子を作るのが好きで、まだ家にオーブントースターすらない頃からフライパンでクッキーやホットケーキを焼いていました。
オーブントースターがやってきたらそれを使ってできるお菓子を作り、高校受験の時にすべり止めの学校に入学金を納めるかどうか聞かれて「大丈夫だからその代わりにオーブン買って‼︎」と訳のわからないおねだりをしてオーブンを買ってもらっては本を見ながらシュークリームやロールケーキなど憧れのお菓子を作っていました。

このレシピ本を参考にしていろんなお菓子を作りました

家政学部食物栄養学科へ

高校3年生になり進路を考えていた時も、漠然と「製菓の専門学校に行きたい」と思っていましたが、親からは「そんなこと言ってないで大学行って就職しなさい」先生からは「職人さんには向いてないかもしれないから、食物栄養学科に行って食品会社の研究室とかは?」と言われ… 「そうかなぁ?」と思いながらも広島の大学の家政学部食物栄養学科に進学。
そこで食品学とか栄養学とかを学ぶわけですが、やはりそこまで勉学に興味がわかず…栄養士の免許を取得してなんとか卒業はしましたが、勉強よりも遊びやアルバイトに明け暮れておりました。

地元の百貨店に就職

そんな感じなので特に「ここに就職したい!」という会社もなく…あまり深く考えず地元の百貨店に就職。
地下の食料品売り場に配属され、果物売り場やお菓子売り場などで接客のノウハウを身につけました。
そこで8年ほど勤めましたが、販売だけのお仕事は自分が良いと思えない商品も販売しなければならなかったりすることもあり、だんだんと「このままこの仕事を続けていていいのだろうか?」と考えるようになりました。
30歳になるタイミングで「自分が本来やりたかったことをやろう」と先のあてもないまま百貨店を辞めました。
百貨店に勤めていた頃、個人の先生が教えておられたお菓子作りの教室には何年間か通っており、いろんなお菓子の作り方やシュガーデコレーションなどを学びました。
時に楽しく、時に厳しくお菓子づくりのあれこれを教えていただき、感謝しています。

百貨店勤務当時

お菓子づくりの仕事に

その後、地元のホテルのベーカリー部門や百貨店の中に入っていた洋菓子店でアルバイトをしてお菓子づくりの仕事を始めました。
ある日尾道に新しくできるケーキ屋さんでオープニングスタッフを募集されていて、そこで本格的に働くことになりました。 最初のうちは厨房スタッフはシェフと私の2人だけ。一から十まで何でも全部2人で作らなければならない日々だったので、店舗でのお菓子づくりの基礎はそこで叩き込まれました。
お店が大きくなってからは主に焼き菓子を担当していて、毎日毎日たくさんの卵を割っては大量の焼き菓子を焼く日々…
そこで12年ほどお世話になりました。

ケーキのコンテストのための作品作りもしていました

その間に母ががんを患い、闘病の末亡くなりました。
闘病中に主治医の先生から「お母さんにケーキを食べさせないでね」とふと言われたことが心に残っており、母が亡くなった後しばらく経ってわたし自身も体調を崩したこともあり少しゆっくり働くようになり、改めて「食と健康」について考えるようになりました。 マクロビオテックというとのがあるらしいと知って料理教室に通ったりしていく中で“卵乳製品白砂糖不使用”のお菓子を作っている方がおられることも知り、習いにいったり本を参考にしたりしながら自分でも趣味で“卵乳製品白砂糖不使用のお菓子”を作るようになりました。 わたし自身は食物アレルギーがあるわけでもなく、ビーガンなわけでもなく、マクロビオテックを実践しているわけでもなく…
卵やバターや乳製品を使ったお菓子も食べますしおいしくて好きなのですが、年齢とともに食べた後にくるしくなってきたり…
植物性の材料を使ったお菓子はそれがなくて食べやすく感じました。 植物性の材料を使ったお菓子づくりにのめり込んでいくとともに動物性の材料を使ったお菓子をつくり提供していることに少し罪悪感を感じるようにもなってきました。
(今は動物性だからよくない、植物性だからいい、とは思っていませんが) 東日本大震災もあり、今一度、自分はどうやって生きていきたいのか?漫然と働いているだけなんじゃないの?このままここで働いていていいのかな?と考えるようになりました。

独立へ

そんな時、働いていたお店の体制ががらっと変わることになり、いい機会なので独立することに決めました。 自分のお店を持つにはどうしたらいいか…
資金がたくさんあるわけでもないし、自分ひとりで無理なく長く続けられることを考え、自宅を改装することにしました。 どんなお店にするか?
普通のケーキ屋さんでもいいし、焼き菓子の専門店やアイシングクッキーの専門店もいいかも?
いろいろと考える中で「植物性の材料だけを使った生のケーキも焼き菓子もあるお店」はきっとこの近辺ではわたしくらいしかやる人(できる人)はいないだろうな、と思いました。

オープン当時に少しの期間だけ作っていたカップケーキ

それ以外にもその当時からバターや生クリームなど乳製品が入りにくい状況があったり、鳥好きなのにそれまでのパティシエの仕事の中で卵をたーくさん割っては使ってきて「もう卵は割りたくない…」という思いがあったり(笑)、ごみも少なくて済むのかな、とか。 いろんな理由が重なり、今のひかり洋菓子店のコンセプトでお店をオープンすることに決めました。

お店を始めて感じたこと

2013年4月7日にお店をオープンして、特に最初の1年間はレシピを考えるのが大変でした。 当時は今ほど植物性の材料を使ったお菓子を作っている人も多くなく、習いに行ったり本を見て研究したりしながら試行錯誤の日々…
「これとこれを組み合わせたらより洋菓子らしい味になるのでは?」 一般的なお菓子では主に卵・バター・砂糖・小麦粉を使って、その配合や作り方の違いでいろんなお菓子ができていきます。
わたしが今作っているお菓子は主に豆乳・菜種油・てんさい糖・小麦粉(もしくは米粉)を使い、その配合や作り方の違いでいろいろなお菓子になっていきます。

水分と油分のちょっとしたバランスで洋菓子らしく感じたり、食品成分のバランスを考えると何をプラスしたら近いものができるだろう?とか(大学の時に学んだ食品学や栄養学の基礎がここで役立つとは…)実験と失敗を繰り返しながらだんだんとおいしいものができるようになってきたと思います。
お店をオープンした当初は特に“植物性の材料を使ったお店”=“アレルギーがあって一般的なケーキが食べられない人のためのお店”ととらえられていたようで、そういったお客さまの割合が多かったです。
当時は今よりもアレルギー対応のお菓子を手に入れる手段も少なく、みなさんご苦労されていたと思います。
「初めてケーキを食べさせてあげられました」と想いがあふれて涙を流されるお母さまもおられて、最初のうちはわたしもよく一緒になって泣いていました(笑)
「店内の商品全て卵乳製品不使用ですよ」とお伝えすると「ありがとうございます」と返されることも多かったです。
自分自身がアレルギーがあるわけでもなく、ビーガンなわけでもなく…ただ好きで作っているお菓子でこんなにも感謝されるなんて…とお店をオープンしてよかったなと本当に思いました。

これからのひかり洋菓子店

何年かお店を続けていくうちに世の中の意識も変化してきたのか、アレルギー対応のものを求めて来られる方、ビーガンの方、健康志向の方、グルテンフリーのものを求めておられる方、単純にひかり洋菓子店のお菓子が好き!という方、Instagramなどで見て、またお友だちにいただいてかわいかったから、おいしかったからとご来店される方など、いろいろな目的を持ってお客さまがいらっしゃるようになってきました。
作る方の気持ちも少しずつ変化していき「体にいいもの、健康にいいものを作らなきゃ」という気負いはあんまり無くなってきて(何がいいかは人それぞれ違うじゃないですか?)今は純粋に「植物性の材料だけでいかにおいしいお菓子を作るか?」ということにフォーカスしている感じです。
わたし、健康オタクじゃなくてお菓子づくりオタクなんです。
単純に植物性のもの=ヘルシーなわけではなくて、全ての物事には良い面も悪い面もあります。

植物性のお菓子だって食べ過ぎたら当然太るし、健康にも良くないかもしれない。
どういうお菓子を選ぶかはお客さまの考え方次第。選んで買いにきてくださるお客さまのために、わたしのできるお菓子を作って提供するだけです。
お菓子は嗜好品であって、生きていくために必ず食べないといけないものではありません。
でもお菓子を食べることで幸せを感じたり、ほっと一息つけたり、ケーキを囲んで一緒にお祝いしたことがいい思い出になったり、気持ちが豊かになったりする…
わたしはできれば好きなお菓子づくりを一生ここで続けていきたいな、と思っています。(お店を続けていくことはほんとうに難しいことだなとずーっと思っています…)
わたしが作ったお菓子で、みなさんが幸せを感じてくだされば、それが何より嬉しいです。 もう何年も続けて来てくださるお客さまも、知ってはいるけどまだ行ったことがないというお客さまも、今検索して初めて知った!というお客さまも、ひかり洋菓子店にどうぞご来店ください。
お待ちしています。
(遠方で来られないけど食べてみたい!というお客さまには配送もいたします。ぜひご用命ください)

代表 高橋 智子